法人化後の九州大学の運営組織について、学長に申し入れ 以下のように学長への申し入れを行ないました。 法人化後の九州大学の運営組織について
1. 大学の運営は自治的機構をこそ基調に国立大学法人法に規定されている大学運営の組織形態は、いわゆる「トップダウン」の方向性がその基調にあり、本来自治的機構こそがふさわしい高等教育・ 研究の場である大学にはそぐわないものです。九州大学もその基本理念ともいう べき「九州大学教育憲章」は、第7条2項において「前項の職務(教育研究)を 遂行するために、教育研究組織の自治及び構成員の身分は尊重されなければなら ない」と謳っています。法人化後もその運営形態は、この憲章にあるように「自 治」をこそ基本にしたものであるべきです。 2. すべての教員、職員の意思を反映できる学長選考の方法を まず、私たちは、法人化された大学において強大な権限を持つことになる学長
の選考方法について多大な危惧を感じます。もちろん、私たちも、大学全体としての改革等を進める場合において学長等のリーダーシップが重要であることを認めないわけではありません。しかし、そうした強大な権限を持つ学長であればこそ、その選考に当たっては、大学構成員全員の意思が反映されるような方法を講じなければなりません。単純に国立大学法人法に規定されている学長選考規定を満たすだけでは、真に私たちのリーダーとなる学長を選考するには不十分だと
考えます。九州大学教職員組合としては、全教職員の選挙によって学長が選出さ
れるべきであると考えます。最低限、現在の学長を選考する際に行われている全教員による選挙は保障されねばなりません。また、学長自身が学長選考会議のメ
ンバーに入れるという規定は削除すべきものと考えます。これまでに比肩できない強大な権限が学長に与えられることを考慮するならば、大学構成員の意思によって何らかの形で学長をリコールできる制度を設けておく必要があると考えます。 3. 民主的な方法による、理事の選出・任命の手立てを役員会の構成は、学長と8名の理事2名の監事とされています。この8名という数が文部科学省から法によって押付けられていること自体に大きな問題がありますが、それは置いておくとしても、その理事の選考が全て学長に一任されることには、実質的な大学全体の執行部ともいうべき役員会の権限を考えると問題があります。理事の選出・任命についても教職員全員の承認を何らかの形で得る方策を講じるべきです。最低限、大学の本来的な使命である教育と研究についての審議を行う教育研究評議会の推薦に基づいて理事等を選出・任命する、もしくは教育研究評議会の承認を必要とするなどの手続きが必要だと考えます。 4. 経営協議会の構成について経営協議会の学外委員の選出に当たっては、広く全学的な推薦を受け付けるような手立てを設けるべきです。国民に高等教育を受ける機会均等を保障するということも、その存在目的の重要な一面として持つ国立大学においては、経営協議会の委員が財界・経済界という部分からだけ選ばれるようなことがあってはなりません。取り分け、産学官の連携ばかりが強調される現在において、私たちは、 より公正に広く国民・市民の意見を反映できるような委員を選出する努力を惜しんではいけないと考えます。 5. 教育研究評議会を実質的な全学の意思決定機関へ教育研究評議会は教育研究の重要事項を審議する機関として位置づけられていますが、実質的な大学の最高決議機関としての機能も付与すべきではないでしょうか。教育研究評議会が、各部局等で民主的に選出された部局長、評議員から構 成されるとすれば、大学全体の意思決定機関としては、この教育研究評議会こそ が国立大学法人法で設置が義務づけられている機関の中では最も相応しいものと考えられます。なお、教育研究評議会の審議内容とされる「教育研究の重要事 項」には、教育研究予算等の財務に渡る部分も含まれるものと確認すべきです。 また、評議員の構成・選出母体の単位については公正に全学の意見が反映できる ように制度設計すべきです。 6. 重要事項については教授会での審議を学校教育法第59条1項に「大学には、重要な事項を審議するため、教授会を置かなければならない」と規定されており、教授会は、教員人事をはじめとする、研究・教育に関わる事項のみならず、大学全体にかかわる重要事項を審議する基本的な機関として位置づけられます。 多くの教員の参加する教授会にこの機能を維持させることは、学長の権限が強まる法人化以降ますます重要になります。また、教員の解雇などの個々の教員に関する重要事項の実質的な審議を行う場が教授会であるならば、その構成員は全教員に広げるべきものと考えます。 7. 自治に基づく責任ある開かれた大学運営を私たちは、その選出に何の権利もなく責任も持てない学長の下では、責任を持って仕事をすることはできません。トップダウンを強調する前に、全構成員の ボトムアップの議論に基づいて重要案件を決定し、様々な長や委員を民主的に選出してこそ、学長・執行部も真にそのリーダーシップが発揮でき、各構成員も責任を持って自らの役割を果たすことができるといえます。 また、自治に基づく責任ある開かれた大学運営を実現してゆくためには、情報 公開を進めて全構成員が積極的に大学運営に参画できるようにする事が大切です。特に、法人化を直前に控え、就業規則、運営組織などの重要事項を決定しようとする今こそ情報公開を緊急に進め全教職員の参画を保障してゆくことが求め られています。 最初に述べましたように、営利ではなく教育研究を目的とする大学の運営の基本は自治的な機構によるべきものであることを再度訴えたいと思います。 [an error occurred while processing this directive]q-union.org v 4_2 |