九大教職員組合ニュース(2003年10月02日)

学長交渉報告

 組合は9月29日14時から16時まで学長交渉を行いました。この交渉には大学当局から梶山学長外8名が、組合からは中江委員長外22名が参加しました。

 以下はその報告です。


  • 現行の雇用・労働条件は維持する
  • 教員の身分保障は教特法にそって行う
  • 就業規則はみなさんの意見をふまえて作成
  • 非常勤の正規職員化には消極的
  • 交渉ル−ルの改善は今後の課題
  • 過半数代表への前進が不可欠

T、大学法人移行に伴う雇用・労働条件の基本協定

1. 大学法人移行にあたっては、労働基準法第1条(労働条件の原則)に則り、現行の雇用・労働条件を下まわらないようにする。

(学長)円滑的な法人化への移行を図るため、原則として承継職員等の職員については、現行の労働条件を確保できるよう制度設計を行う。
(組合)承継職員等の中には非常勤も含まれるのか。
    アルバイト職員の発令は法人化後どうなるのか。
(学長)承継職員等の等をつけているのは、平成16年4月1日に採用される非常勤職員も含めているから等になっている。現在人事課で把握できている非常勤職員は学長発令のパ−ト職員までで、アルバイト職員については把握できていないので精査したい。


2. 教育公務員特例法、人事院規則の適用除外により制度がなくなる「教員の身分保障」、「教員の研修制度」、「教職員の休暇制度」及び「休職制度」等については、その精神を受け継ぎ、就業規則、学内規則で規定する。

(学長)原則として教特法や人事院規則の趣旨に照らして制度設計を行う。

3. 学内で運用されてきた労働慣行は、引き続き尊重し、変更する際は労使の合意による。

(学長)労働関係法に従い精査し、学内での検討をふまえ、みなさんの意見を聞いて決めていきたい。
(組合)例えば、非常勤職員の処遇を定員に近づけるためとってきた学内措置については、法人化後も保障してほしい。
(組合)労働慣行は規範であり、有効なものである。違法にならないよう労働協約を結べばできますね。
(事務局長)法令や規則をふまえ、いろいろ知恵を出し合って新たな形で合意できることもあるのではないか。


4.法人化後の雇用・労働条件については、労働基準法第2条(労使対等決定の原則)に則り、大学当局と大学教職員(労働者)が対等の立場において決定する。また、法人化前の交渉であっても労働組合法による交渉ル−ルにより行う

(学長)労働関係法に従い学内の検討をふまえて、必要に応じてみなさんの意見を聞いて決めていきたい。
(事務局長)法人化前は国公法にのっとってやらざるを得ない。
(組合)法人化前に過半数代表を選出し、「36協定」を結んだり、組合との暫定協約の締結等をやる必要があるのに、議事録の交換もできないのか。
(事務局長)そのことも含めて今後予備交渉でつめていけばいいのではないか。
(組合)4項目要求については大学当局とも認識は一致している面が多かったと思う。それらについて確認して今後つめていきたい。


U.大学法人化にあたっての基本要求

1. 労働条件の決定方法について

(1) 就業規則は、労働組合と協議し、可能な限り合意にもとづき作成すること。

(学長)みなさんの意見をふまえて作成したい。
(人事課長)秋にも就業規則(案)を出し、年明け早々にはまとめたい。

(2) 事業場協定の締結に必要な過半数代表の選出にあたっては、法の要請するところに従い民主的な方法によること。
(学長)過半数代表の選出方法については法令の定めに従って検討中である。
(組合)過半数代表を選ぶのには三つの方法がある。一つは、組合が過半数の労働者を組織していること。二つは、組合の委員長を過半数代表者にするために教職員から委任状をとること。三つめは、選挙によって過半数代表を選ぶことである。組合は二つめの委任状をとって委員長を代表にすることを考えている。
(事務局長)将来計画委員会で過半数代表の選出方法についても検討しており、年末年始の前後には過半数代表者の選出方法を決めたい。
(組合)組合は委任状方式でいきます。

2. 雇用・身分保障について
(3) 昭和55年以前に採用された定員外職員については正規職員にすること。また、その他の非正規職員についても正規職員に登用する道を拓くこと。


(学長)新国大協によって統一試験を実施し、能力を評価し採用したい。現在の非常勤職員を正規職員にすることは考えていない。
(組合)私たちは長年にわたって定員化を要求してきた。これだけ多くの非常勤職員が残っているのは当局の責任もある。仕事も定員内職員と同じにしてきたのになぜできないのか。
(人事課長)試験による能力の実証が必要で、法人化するからといって定員化できない。
(組合)厚生労働省は定員と同じ仕事をし、勤務時間も同じなら定員と同じ処遇にするように指針を出している。
(組合)能力は長年にわたって勤務しているので実証されていると思う。方法について工夫すればできるのではないか。
(事務局長)文部科学省から従来通りでやるよういわれているし、人件費については厳しくチェックされる。
(組合)過去2回の学長交渉で「定員化」について検討するといってきた。それが今回のゼロ回答では納得できない。
(事務局長)法人移行時には大幅な制度改訂はしないことを原則に制度設計を行っている。
(組合)法人化によってより自由度が増すと言ってきたし、定員の枠がなくなり、空き定数の中で定員化することはできるはずだ。
(事務局長)そうした点について国大協に要望を伝えたい。そして九大でも検討をしたい。

(4) 更新を繰り返して雇用されてきた日々雇用、時間雇用、アルバイト職員は、期間の定めのない雇用とすること。
(学長)従来と同じ年度内雇用にする。
(事務局長)非常勤制度については。現在の雇用形態を続ける。人件費についても従来通り物件費の中で措置する。
(組合)一年雇用を繰り返すことになるがそうするのか。
(事務局長)そうしたい。

(5) 教員の身分保障については、教育公務員特例法の精神を引継ぎ、当該研究院の構成員の議に基づくものでない限り本人の意に反して転任及び降任、解雇されることがないよう学内規則、就業規則に規定すること。
(学長)教特法の趣旨をふまえて検討している。

(6) 任期つき教員の再任審査は、当該研究院等の構成員の議により決すること。
(学長)当該部局の審査基準にもとづいて決定することになる。

(7) アウトソ−シングの導入にあたっては、労働組合の合意を得た上で行うこと。
(学長)必要性や効率性を十分検討する。

(8) 大学は次の事由による場合でなければ、職員をその意に反して降格または解雇することができないものとする。@ 勤務実績が著しく良くない場合 A 心身の故障により、職務の遂行に支障があり、これに堪えない場合。また、解雇等の事由に疑義がある場合は組合と協議すること。
(学長)就業規則に規定する方向で検討している。
(人事課長)国家公務員法に準拠した規定にしたい。

(9) 事務職員が他大学法人に出向する場合は本人の同意を前提に行うこと。
(学長)本人の同意を得る方向で考えている。

(10) 教務職員制度を廃止し、希望する職種(助手、技術職員、事務専門職員)へ移行させること。
(学長)教務職員は必要に応じて配置されたもので、本人の希望では決められない。


3.教職員の採用と研修権について

(11) 教員の採用は、当該研究院等の構成員の議に基づく選考によること。その際、採用職種によって議に加わる構成員の構成を差別しないようにすること。

(学長)いずれ部局の意見を聞いて決定する。

(12)職員の採用については、公正で透明性のある方法で行うこと
(学長)新国大協で統一採用試験の導入が検討されている。

(13)教員の研修権について、教育公務員特例法の精神を受け継ぎ就業規則に盛り込むこと。
(学長)部局の意見を聞いて決定する。


4. 賃金について
(14) 中期目標・計画の作成にあたっては、人員及び人件費の抑制は記載しないこと。

(学長)中期目標・計画の中で人件費の抑制について言及しないといけない。

(15) 現行の賃金水準を下回らないこと。また、現行の賃金体系の改悪を行わないこと。
(学長)国家公務員の給与体系を維持したい。

(16) 昇任・昇格にいては、現行の基準を下回らないようにすること。
(学長)能力や勤務成績を評価して行う。

(17) 退職金については、現在の基準を下回らないよう制度設計をすること。
(学長)現行の制度に準じて行うことを討議している。

(18) 日直及び当直業務の手当は、通常と同等の業務を行う場合は超勤費を支給すること。
(学長)手当にするか給与として支給するか検討している。

(19) 教員についても入学試験や会議等で遅くなった時は超勤手当を支給すること。
(学長)現行と同様の措置をとりたい。


5.労働時間・休暇・休業・休職等について

(20) 現在の始業時間8時半と終業時間を基本に終業時間は17時とすること。
(学長)勤務時間については、8:30〜17:15分で検討している
(組合)終業時間が15分延びるということか。
(事務局長)法人化後は休憩時間が現在の30分から45分になるので現在の8時間労働にすると終業時間は17:15分になる。17:00にすると7時間45分労働になり、社会に対する説明責任がいる。

(21) 職員については適切な労働時間管理をおこない、残業時間を正確に把握して不払い残業をなくすこと。
(学長)適切な勤務時間管理を行う。

(22) 三六協定の締結にあったては、@ 時間外労働を臨時的・例外的事由に限定すること。A 割増し手当を率を30%以上とすること。B 育児・介護等家族的責任を有する者の時間外労働の制限を盛り込むこと。
(学長)法令のもとづき超勤時間や割増率等を決めた協定が必要になる。

(23) 現行の有給休暇日数を維持し、時間休暇を認めること。また、年休の計画的取得を図り、取得率を高めること。
(学長)現状に準じた取り扱いを考える。

(24) 現行の育児休業(3才まで)・介護休業、特別休暇制度を就業規則に明確に規定すること。
(学長)現行に準じた制度設計をおこなう。

(25) 任期付き教員及び実質的に一年以上雇用が継続している非正規職員に育児・介護休業が取得できるようにすること。その際、任期(雇用期間)から育児・介護休業期間を除くこと。
(学長)現行に準じた制度設計を行う。

(26) 業務に必要な資格を取得する支援体制を整えること。
(学長)業務に必要とされる資格はもとより、真に必要とされる資格についても支援する体制をとる。

(27) 本人の申し出による海外研修等の休職制度をもうけること
(学長)現行に準じて制度設計を行う。研修休暇は機関の長の承認にもとづき許可している。


6.教職員の定年、再雇用について

(28) 教職員の退職年令については、年金支給開始年令に応じて65才まで引き上げること。
(学長)教員の定年年齢については検討中である。職員の定年は60歳とし、再雇用制度を設ける。

(29) 定年退職後、希望者全員が再雇用できる新たな再雇用制度をつくること。
(学長)方針に従い、再雇用制度を検討する。


7. 教職員の労働安全衛生について

(30) 教職員・学生の安全で快適な教育・研究環境をつくるため労働安全衛生法を遵守し、設備等の改善と産業医の配置を行うこと。
(学長)労働安全衛生法にもとづく設備の改善は11月から工事を始め、来年3月までには完了したい。産業医の配置については検討中である。


8.大学の運営について
(31) 従来からの教授会の審議事項は法人化後も審議事項とするよう学内規則で規定すること
(学長)教授会の審議事項については通則に規定し制定する予定である。学校教育法59条で教授会を置いて(注)*部局の重要事項を審議することは変わらないが、教育評議会との関係と役割分担については検討中である。

  * 学校教育法59条「大学には、重要事項を審議するため教授会をおかなければならない」

(組合)今後の運営体制についてはいつ頃決まるのか。
(事務局長)本日の午前中の将来計画委員会で提案したので委員から聞いてほしい。理事は学長の外に8名で最低1名は外部の人になる。経営協議会と教育研究評議会についても案を出している。

(32) 教授会をより幅広い審議の場とするため、当該部局を構成するすべての教員を教授会構成員とすること。
(学長)各部局の判断により定めることになる。


V、賃金を中心とする要求

(1) 大学教職員の賃金が5年連続切り下げにならないように関係機関に働きかけること。

(学長)国家公務員の賃金は人事院勧告が出され、国会審議で決定される。大学教職員の処遇の改善については国大協を通じて働きかけをしている。


W、大学予算、定員、昇格等に関する要求

(1) 昇任、昇格や人事異動にあたっては女性差別や組合差別を行わないこと。
(学長)勤務成績を考慮して適正に行っており、女性差別や組合差別はしていない。
(組合)非常勤職員はほとんどが女性職員である。女性職員を差別していないと回答されたが、当局の発言を聞くと女性は差別されているとしか思えない。

(2) 任期制を導入した部局に対する学内予算の増額配分は、国会の付帯決議の精神に反する行為であり、止めること。
(学長))部局からの要請があり、評議会でも承認も得て行ったものである。

(3) 特定機能病院にふさわしい各職種の人員配置を行うこと。特に看護師については「患者1人に対し、看護師1人」の新設、また「外来患者15人に1人の看護師」の配置等を上申し関係部署に働きかけること。
(学長)特定機能病院にふさわしい看護師の配置をしている。
(組合)リハビリテ-ション部は8名の職員がいる。昨年6人だったところを
やっと2人増やして上位の診療報酬点数を得ることができた。しかし、この2人が非常勤なので職場は不安に思っている。病院職員の配置数は、安全や収入に深く関連しているので、当局は真剣に考えてほしい。

(4) 法人化移行に伴う九州大学の負債金額を明らかにすること。
(学長)平成14年度末で約519億円である。
(事務局長)今回の要求は今後の検討事項もあり、100%回答できない部分がある。また、650〜700に及ぶ規則の変更が必要になる。
(学長)今回の交渉は労働条件に関することが多かったので事務局が多く参加しているが、教育・研究体制の問題で話し合える場を別に設けたらいいのではないか。皆さんと話し合うことは健全だと思う。 

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