2002年1月18日

九州大学学長
梶山 千里 殿
九州大学教職員組合
執行委員長 三好永作

教官の任期制導入についての申し入れ書

本学応用力学研究所および機能物質科学研究所において「教官の任期制」について導入する内規が教授会決定され評議会の議に付されようとしています。これまで、九州大学教職員組合は、安易な教官任期制の導入は研究・教育の発展に寄与するものではなく、むしろ悪影響を及ぼすものであると考え反対の意見を表明してきました。今回出されている案は「大学の教員等の任期に関する法律」(法律第82号)を根拠に九州大学で生体防御医学研究所に続いてのものですが、改組を伴わないで導入される任期制という点からみて、問題の多いものと考えざるを得ません。

1)まず、何故に任期制を導入するのか、それによって研究・教育の推進にどう効果が期待でき るのかといった重要な点の説明がありません。

2)在職者を含めて全教官を対象とした案となっていますが、この案の決定までの議論のプロセスがまったく明らかではありません。任期制のデメリットについての議論を十分行い,それをカバーする方策を十分検討されたのでしょうか?現在「教育公務員特例法」の適用対象である助教授・講師・助手層は議論に参加できたのでしょうか?十分に意見の集約はなされたのでしょうか?もしそうでないなら、研究・教育を自らの仕事として働いてきた者がまったく突然にその雇用の期限を切られることになりかねません。これは、同じ九州大学に働く者の労働組合としては見過ごす事はできません。

3)具体的な案の内容についても、あまりに問題が多すぎると考えます。
・具体的な任期については、それぞれの部局において
応用力学研究所 教授6年、助教授6年、講師6年、助手6年
機能物質科学研究所 教授6年、助教授6年、講師6年、助手6年となっていますが、その根拠について全く何の説明もないまま提出されています。
この間の全国的な任期制に関する動向の中で示された、東京大学工学研究科の「助教授以下は昇進のインセンティブ(刺激・誘因)があるとしてその対象から外し、教授だけへ55歳以降に2期十年の任期を導入する」とした案と比べてみても、今回の案の問題点は明らかだと思います。
・評価の内容についても単に評価事項を規定しているだけでその基準についても触れられていません。
・異議申し立てのあった場合、教授会の議を経て新たに審査委員会を設置して再審査を行うとありますが、この新しい審査委員会が再任を否決した審査委員会から独立性を保つことの保証がどこにもありません。このことは、今回の任期制が制度的な不備を持っていることを示しています。

私たちはこれらの点について検討され、今回の任期制を慎重審議された上で撤廃されるよう申し入れます。

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